ガス料金比較

LPガス販売、是正へ指針

都市ガスの小売りが今月、全面自由化され利用者は事業者を選べるようになった。一方、もともと自由化されているLPガスは価格の不透明性や取引方法の問題点が改めて指摘されている。国はこれを機に指針を作り適正化に乗り出した。ポイントを整理した。

 

 ●業者間競争少なく

 

 家庭に供給されるガスは、都市ガスとLPガスの二つに大きく分かれる。似ているように見えるがさまざまな点で違いがある。

 

 都市ガスは、天然ガスのメタンが主成分で、主に都市部の道路の下に張り巡らされた導管を通じ気体のまま供給する。一方、LPガスは、プロパンやブタンが主成分でプロパンガスとも呼ばれる。常温でも圧力を加えれば液化しやすく、ボンベに充填(じゅうてん)して運びやすく、導管が敷設されていない地方や郊外で、事業者がボンベを家庭まで配送している。利用者は都市ガス約2900万件、LPガス約2400万件とほぼ並ぶ=表1。

 

 4月に自由化された都市ガスに対し、LPガスはもともと競争制限はなく価格は公共料金ではない。全国約2万の事業者がおり、制度上、消費者は自由に事業者を選べる。しかし、実際には一部を除き競争はなく、不透明な商慣習があるという批判が多い。一般に料金は都市ガスより割高で、輸入価格が下がっても小売価格が下がりにくい=グラフ。業界団体のLPガス協会への消費者相談は2015年で4755件あり、うち1154件は料金に関するものだ。

 

 都市ガス小売りの自由化には、ガスの安定供給や競争を通じた料金抑制がメリットとして挙げられた。しかし、その検討過程で、消費者団体からは「自由市場であるLPガスは逆に問題が大きい」という批判が強まった。これを受け、資源エネルギー庁は2月、適正化のための指針を作成。根拠となる液化石油ガス法の省令や通達も改正する。

 

 ●料金公表されず

 

 LPガス小売りの何が問題なのか。大きく3点がある。

 

 第一に、事業者を選ぼうにも判断材料がない。事業者のほとんどが料金を公表していないためだ。指針は、料金の標準メニューや平均的な使用量に応じた例をネットのサイトや店頭に掲示して公表するよう求めた。

 

 事業者によっては契約者ごとに料金が異なることも珍しくない。相対で値決めしたり、廃業した事業者から販路を譲り受けた場合に元の価格を維持していたりと、さまざまな事情があるようだ。指針は、そうした場合でも平均的使用量に応じた例を示し、来年2月までに料金体系を集約し、公表することを求めた。

 

 第二に、賃貸アパートの入居契約の問題だ。アパート建設時にオーナーと取り決め、事業者が配管などの設備やガス器具などを無償提供する代わりに、その費用回収として入居者のガス料金に上乗せするケースがある。エアコンなどガスと関係ない設備の費用もガス料金に転嫁し負担させる例もある。入居者がこうした事情を知らず高いガス料金を支払っていることがある。

 

 エネ庁は通達改正で、ガス料金にこうした費用が含まれている場合は契約書や請求書に明記するとした。指針でも入居予定者から説明を求められれば適切な対応を求めた。

 

 第三に、契約者への対応だ。事業者は契約時に、価格算定方法や、配管などの所有権が事業者にある場合の取り扱いを示した書面を交付する義務がある。しかし、日本生活協同組合連合会の調査では、消費者の多くは「受けたかどうかわからない」というのが現状だ。「料金内訳がわからない」「説明なく値上げされた」など苦情が絶えず、事業者を切り替えようとすると高額な配管費用の支払いを求められトラブルになることもある。

 

 指針や省令改正では、(1)書面交付の徹底(2)価格変更時には原則1カ月前までに理由を示して通知(3)料金請求時には算定根拠を通知−−など透明化を求める。

 

 ●行政指導を強化

 

 消費者はどうすればいいか。日本生協連の小熊竹彦政策企画部長は「事業者を変えることができると知らず、公共料金と思い込んで請求されるまま料金を支払ってきた人は多い。情報公開が広がる意味は大きい」と期待する。料金や書面を確認し、不明であれば事業者に説明を求めるよう呼びかける=表2。

 

 LPガス販売をめぐっては、LPガス協会が自主ルールを作成しているが、あまり改善が進まなかった。今回の指針には罰則はなく実効性が問われるが、エネ庁は、立ち入り検査などで指導を強める方針。「真面目にやっている業者が損をしないようにしたい」(石油流通課)とする。【渡辺精一】

 

都市ガス小売り自由化
 都市ガスは地域により契約できる事業者が決まっている「地域独占」にあり、価格は国が認可する公共料金だったが、4月に全面自由化され、消費者は料金やサービスを比較して業者を選べるようになった。しかし、昨年4月に全面自由化された電力に比べ新規参入のハードルは高く、4月1日現在、家庭への新規参入を表明したのはわずか12社。大阪ガスと関西電力がしのぎを削る関西圏などを除けば、競争は目立たず、一般の関心もあまり高まっていない。

 

ガス消費者はどうする?(表2)
(1)料金や書面を確認。不明なら事業者に説明を求める

 

(2)地域の事業者の状況を調べる

 

 <都市ガスの場合>

 

・新規参入がある地域なら、条件を確認し切り替えメリットも検討

 

・従来料金での供給が受けられる「経過措置」のない地域なら、料金動向をチェック

 

 <LPガスの場合>

 

・地域に料金の安い事業者がある可能性も。料金表などをチェック

 

(3)トラブルがあれば消費生活センターに相談する

 

 ※日本生協連の資料をもとに作成

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